「てんびんの詩」 ~いつの時代にも変わらぬ商いの魂~
2010.10.08
税務
コンサルティングに強い 大阪 税理士 小笠原/河原事務所 伊東です
今回はセミナーなどで「営業の教科書」とも呼ばれ紹介される
てんびんの詩
の内容について書かせていただきます
「てんびんの詩」
近江商人の家に生まれた大作は小学校を卒業した日、父親から祝いの言葉と共に、
風呂敷の包みを贈られました。
中に入っていたのは鍋蓋でした。
父親は大作にそれを売ってこいと言います。
「売ればわかる」
それを売ることもできないようだと商人の跡継ぎにはできないと…。
「なんで僕がこんなかっこ悪いことせなあかんのや」
意味が分からない大作は、不満を言いつつ、まず、店に出入りする者の家を回りますが、親の威光を
崇にきた押し売りのようなやり方をしてしまい、うまくいきません。
さりとて、見知らぬ家を訪ねても、けんもほろろ、ろくに口も聞いてもらえない。
大作は親を恨み、買わない人を恨みました。
ある日大作は十里の道のりを歩いて叔母を頼っていきました。
それでも叔母は
「親戚をあてにしたらあかん」
と買ってくれませんでした。
夜通し歩いて戻ってきたばかりの大作に、母親は新しいわらじを渡し、
「足があるなら、すぐにまた売りにお行き」
と送り出します。
来る日も来る日も売れない鍋蓋をてんびん棒で担いで家を出る大作。
しかし父が茶断ちをし、母が毎日心で泣き見守る周囲の人々が
本人以上につらい思いをしていることに大作は気づきません。
時には卑屈な演技をしたり、泣き落としにかかったりしますが、反感を買うだけです。
大作は目に涙を浮かべ途方に暮れてしまいました。
そんな日々が続いたある日、農家の井戸の洗い場に浮かんでいる鍋を
ぼんやり見つめながら大作は考えていました。
あの鍋蓋が無くなったら困るやろうな。困ったら買うてくれるかもしれん…。
そう思い、洗い場の鍋蓋をぜんぶ川に流そうとしました。
しかし次の瞬間、大作は思いました。
この鍋蓋も誰かが難儀して売った鍋蓋かもしれん
そう思ったとたん、大作は、たわしでその鍋蓋を無心で洗いはじめました。
近づく足音も気づかない大作。農家のおかみさんが問います。
「何で、うちの鍋、洗ろうたりしている。お前どこのもん」
「堪忍してください。この鍋蓋見てたら急に鍋蓋が愛おしゅうなって…。
わし悪い奴です…売れんかったんやないんです。もの売る気持ちもできてなかったんです…。」
大作の気持ちを知ったおかみさんは実の子にするように顔をふいてあげ、そして言いました。
初めて行商に出てから三カ月がたっていました。
売れた。初めて売れた。大作は‘売ればわかる’と言った父親の言葉の意味を知りました。
売る者と買う者の心が通わなければ、物は売れないということを…。
人の道に外れて、商いはないということを…。
商売とは売り手と買い手の気持ちがひとつになってはじめて成り立つもの
というWIN WINの法則がとてもわかりやすく学ぶことができ
また、自分の仕事に対する取り組み姿勢と改めて向き合うことができました
コンサルティングに強い 大阪 税理士 小笠原/河原事務所 伊東でした