ママが働きやすい環境作りについて、私が思うこと
2015.09.30
税務
先日、お客様から下記の相談を受けました。
西口さんのクライアントさんなどで
自社で保育施設等を運営されている方はいらっしゃますか?現在、既婚者が多く、今後も産休や育休を取るスタッフも増えてくるかと思います。そのあたりも考慮して、女性に働きやすい職場を作るにはどうしたらいいかと…今いるスタッフもそうですが、募集する場合も働きやすさをアピールできたらと思うんですけどねぇ。 何かアイデアあります?
最近、このような相談をよくいただきます。
私自身が、働くママという存在ですので、
一経験者としての意見を求められることが増えてきました。
先日、安倍政権下で出生率1.4%→1.8%にという目標もかかげられ、
今後、働くママのサポートは企業の必須課題となってきます。
働くママに対してどんなサポートを企業はすべきか…
私なりの考えをお話したいと思います。
まず、相談内容にもあった保育施設等の運営について。
これは正直、難しいところがあります。
それなりの需要がないと、財政的に運営がしんどくなります。
女性の多い中堅企業であれば、うまく機能するかもしれませんが。
待機児童が多いのは、0-1歳児です。
0歳児を保育するには、3歳児の倍の人件費がかかります。
1歳児も1.5倍くらい人件費がかかります。
一般的に、保育施設では0-1歳児は収支トントン、
2歳児以降で収益確保を行います。
0-1歳児の割合が多ければ多いほど、財政が苦しめられます。
ニーズは0-1歳児が多く、運営は火の車に…が多いようです。
こ問題に対して、助成金制度はあります。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/ryouritsu01/dl/hoikupanhu.pdf
しかし、これを活用してもなお補填できない企業も多くあるようです。
また、ママとしては保育施設は自宅から近いことが望まれます。1歳を過ぎると、子連れでの移動への負担が多くなります。
わんぱくな子供たちにとっても、
朝の満員電車のストレスは負担になります。
会社が自宅から離れている場合、
職場の保育施設を利用するのか…
保育料のちょっと高くつくけど
便利な自宅近くの保育施設を利用するのか…
後者を選択するママが多いのも事実です。
次に、就業時間や賃金面でのサポートについて。
今や、短時間労働制やフレックス制は、当たり前のものとなっており、
たとえ零細企業であっても、最低限の制度導入は必要だと思います。
しかし、過度な制度導入は、企業の首をしめることになりかねません。
お金に焦点がいってしまうと、
働きながら子育てをすることにプラス思考は働きません。
報酬は減るのに、子育ての負担も仕事のストレスも増えて…
果たして働くことへのモチベーションを維持できるのでしょうか。
お金ではなく、自己のキャリア形成に目を向けさせることが必要です。
また、企業はそこをサポートすべきだと思います。
この仕事を続けることで、どう成長するのか…
次のステージには何があるのか…
どんな素晴らしい未来が待っているのか…
そのために今、頑張ることが大事なのだと。
また、既婚女性へのママ教育も必要だと思います。
それは何かというと、子育てに関わる行政の仕組みをしっかりと学ぶことです。
例えば、保育園のこと。
この仕組みは地方自治体により異なります。
保育園の申込みには〆切りがあり、
この募集時期を逃してしまうと、待機児童となってしまいます。
10~12月が〆切りとなっていることが多く、
そめため早生まれの赤ちゃんは待機児童になる可能性が高くなります。
私自身も、待機児童の問題でとてもとてもとても悩みました。
息子が2月生まれで、当時知識不足でもあり、
4月になってから市役所に入園申込みにいきました。
その時点で、待機人数が16名…
最短でも2歳になってからの入園だと言われました。
その時、子どもが生まれる前に勉強しておけば良かったと後悔しました。
〆切である11月までに生まれていれば0歳児で入園できたのに…
生まれてすぐの2月に申込みしていれば1歳児で入園できたのに…
ここで後悔しても、後の祭りです。
子どもを授かるということ、これは完全コントロールがきかないものです
コウノトリさんが運んで…なところもあるでしょう。
でも、計画できなくもないとも思います。
私自身は、第一子での反省を生かし、第二子を授かりました。
最短で職場復帰するには、いつまでに何をすべきか…
相当勉強しましたし、そのために産婦人科へ通院もしました。
夫からはコウノトリさんが…と少し批判的な意見もありました。
結果的に、11月上旬予定で第二子を授かることができ、
計画出産を企てて良かったと思っています。
子育てしながら働く上においては、
自宅近くの認可保育園に入園できることが、
ママにとっても子どもにとっても、そして家計にとってもベストだと思います。
妊娠・出産の基礎知識や行政の制度、
私は生れてから知りましたが、
妊娠する前から知っておれば、選択肢は広がったのではないかと思います。
計画出産を進めるわけではありませんが、
もし働くことを望むのであれば、
妊活を始める時点でしっかり勉強しておくことが大事だと思います。
また、このようなことを教えてくれる人が
身近にいたらもっと安心だと思います。
働くママを経験した先輩や同僚、
子どもが生まれてからのことを一緒に考えてくれる上司、
そのような存在が、これからママになろうとする女性にとっては必要のではないかと感じます。
事業所内保育施設の設置や各種制度の導入は
ママにとってはありがたいことではありますが、
その前に企業としてサポートできることはもっとあるように思います。
女性自身も、会社の制度に頼ることを第一に考えるのでなく、
子育てしながら働ける環境を、自分の責任で創っていく努力をすべきです。
そうした意識こそが、女性が活躍する世の中を創りだすと、私は信じています。