みなさんこんにちは。御堂筋税理士法人/組織デザイン研究所の梅原です。

新型コロナウイルスの影響により、2020年、2021年は不要不急の帰省自粛の呼びかけが強かったため、自宅で過ごされた方も多かったかと思います。

今年はいよいよ宣言等の出ない中でのゴールデンウィーク。不安が残る中ではありますが、帰省や旅行等、プランを立てられている方も多いのではないでしょうか。

さて、今回は人事制度におけるブログを書かせて頂きました。

ビジネス環境が大きく変化する昨今、ジョブ型への転換が問われていることは皆様もご存知のことと思います。しかし、このメディアを賑わせている「ジョブ型」は、残念ながら人的資源管理を十分に理解していない情報が、移行機運にのる形で論じられているケースが散見されます。

 そこで今回は、“ジョブ型雇用の誤解と、本当のジョブ型とは何か”というお話で、お伝えさせて頂きます。

<ジョブ型雇用の誤解>

 コロナ禍において、テレワークを導入する企業が増えた中、「テレワークがうまくいかない理由はメンバーシップ型のせいであり、成果を重視するジョブ型を導入すべき」という声があがったことから、マスコミでもジョブ型の重要性を謳われています。

 確かに、テレワークにおいてはコロナ以前にように目に見えないシーンが多々あるため業務状況が掴めず、評価がしづらいというのは理解できます。しかし、これは制度の問題ではなくコミュニケーションの問題とも言えます。かつ、メンバーシップ型であったとしても成果は考慮しない、などといった評価はありません。

「ジョブ型」「メンバーシップ型」といった雇用システムは、分類分けするための学術的概念であり、本来は仕事を通じて学び、コミュニケーションを通じて評価し、フィードバックによって育成します。雇用システムの学術的概念であるから、「メンバーシップ型は評価しづらい、ジョブ型が最高だ!」といった良し悪しの価値判断とは独立したものです。

 また、「ジョブを明確化にするため、ジョブディスクリプションの作成に膨大な時間と手間を有する」といった記載も目にするが、これも誤った理解です。

 産業革命以来、欧米近代社会の企業組織は一貫してジョブ型でした。重工業が発展した1920年代の米国では、ブルーワーカーへの不利な条件提示や不当な解雇が横行したことから、「自身のできる業務を職務記述書として明文化し、それをもって労働契約を結ぶ」という雇用慣行が成立していました。これらは、20世紀初頭にフレデリック・テイラーが提唱した科学的管理法との親和性が高く、ホワイトカラーも含めて広く採用される雇用慣行となっていきました。

 しかし、変化の激しい昨今においては、ジョブディスクリプションはその意味をなさなくなりつつあり、個別タスクを明確に固めることはリスクもあるため、上位概念を記載する傾向が強まっています。

<本当のジョブ型とは>

 ジョブ型雇用とは、「会社が提供する・個人が担うジョブ(仕事)について会社と個人が同意し、個人はその遂行を、会社はそれに見合った報酬を提供する」という、ジョブを基点にした雇用契約です。しかし、これはあくまで“ジョブ型雇用”であり、本当のジョブ型とは企業戦略実現のための組織づくりの観点から議論がなされるべきです。

ミッション・ビジョン・バリューを念頭とし、どのような経営戦略を描くのか、より上位の戦略を実現する為の方策という観点から語られるもの。中長期事業計画で明示された数値目標・各種KPIを達成するためには、どのような組織を作る必要があるかを先に考え、必要となる仕事をあぶり出し、いつ、どこに、どのレベルの人が何人必要かを計画すること、つまり組織の観点からジョブ型の仕組みへの転換を進めていく必要があります。

上記を紐解くと、結論必ずしもジョブ型でなければならない、という話ではなく、経営そのものに対する考え方が問われるのではないでしょうか。

「メンバーシップ型だからうまくいかない」「今後はジョブ型の時代だ」といった人事制度の“型”の話ではありません。大切なのは、それぞれの特徴を正確に理解した上で、ミッション・ビジョン・バリューを実現させていく。それは、 “どのような組織でありたいか”から、経営戦略と人事戦略を描き、“自分達らしさ”を追い求めていくことが大切であると私たちは考えています。

“うちなんか”とは言わせない。

日本一カッコいい中小企業をつくる。人から。

これは、私たち人事チームのチームコンセプトです。

人事・組織課題をお持ちの企業様がおられましたら、是非ともお声がけ下さいませ!!

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