みなさん、こんにちは

大阪 税理士 小笠原・河原事務所 の 小笠原知世 です

先週に引き続きまして納期・量管理のお話をさせていただきます。

第1回 「 管理のための下準備 」
(ABC分析)

第2回 「 棚卸しと現品管理 」

今日は第2回なので、
前回のABC分析の結果を元に、棚卸し

みなさま、毎月棚卸をされていますでしょうか?

私が学生の時に、お世話になっていたCafe(もしろ喫茶店!?)では、
簡易な棚卸は毎晩、きっちりした棚卸は毎月月末に行われておりました

関与先で棚卸の状況をお聞きしたところ、
予測に反した答えが答えが返ってきてビックリしました

年に1回ならはまだしも…
今まで1回もしたことがないという意見もありました

んん…
ということで、棚卸マスターとして何かお役に立てればと思い、
棚卸や現品管理、さらに在庫管理といった勉強に踏み切ったわけです。

話を戻します

従来の棚卸しは「決算棚卸し」という言葉があるように、
主に決算で正確な利益を計算するために行われてきました

しかし、現在は販売管理ソフトを利用されている会社が多いです

管理のコンピューター化により、
日々の生産・販売などといった管理を適切に進めるために、
在庫精度を高めるところに主目的が置かれるようになってきています

この目的に対応するには従来の年一での棚卸しでは限界があります
日常の管理の中で棚卸しを行っていく必要があるといえます

日常管理として行っていく棚卸を
「 循 環 棚 卸 し 」 といいます。

循環棚卸しは、
毎日少品目ずつ棚卸しをして、
一定期間で全品目を一巡するというやり方です

面倒臭そ~!うちには無理!
と思った方、
まだ諦めないでくださいね

全品目をとういったものの、全部していたら時間がかかりすぎます
ここで、
ABC分析による重点管理の考え方に基づいて下記(表1)のようなサイクルで行っていきます。

(表1)ABC区分年1循環回数
A品目  年 12回 → 毎月一巡
B品目  年  4回 → 3ヶ月に一巡
C品目  年1~2回 → 6ヶ月に一巡、もしくは期末棚卸しのみ

次にそのステップをまとめます

Step.1
毎月行う循環棚卸しの対象品目と棚卸し担当者を決めます。

1件当たりの平均時間を5分、
1日の棚卸し作業に当てる時間を1時間とすると…
1日1人当たり12件、
月間(20日)で240件もの棚卸しが可能となります

毎月、何人で棚卸しを行えばよいかの計画例をひとつ示しておきます。
ABCの品目別点数を循環サイクル(図1)で割ると、1ヶ月の棚卸し点数が出ます。
それを1人1ヶ月棚卸し可能件数で割り算したものが必要人数になります。

(例)必要人員の計算
A品目   100品目÷1ヶ月=100
B品目   450品目÷3ヶ月=150
C品目 1,380品目÷6ヶ月=230 → 合計 480件
必要人員 480÷240=2人

Step.2
担当者はスケジュールにしたがって倉庫に出かけて棚卸しを行います。

その結果を持ち帰って帳簿(もしくは管理ソフト)の在庫数と照合し、
差があれば現品数に帳簿(もしくは管理ソフト)の在庫数を修正します。

この場合、あまりに大きい差があるものは再調査が必要です。

Step.3
月末に日々の棚卸し結果を集計して、
品目別の実地棚卸しと帳簿(管理ソフト)在庫数との誤差率を算出します。

誤差率の大きい品目について、
その理由を検討して差が小さくなるように改善します。

ABCによって棚卸しの巡回期間が異なる…
つまりは求められる精度が異なってきますので、
以下(表2)に各品目の許容される誤差率というのを示しておきます

(表2)棚卸許容誤差率
在庫回転率  10回以上   10~6回   5回以下
品目
A         ±1.0%   ±0.5%   ±0.2%
B         ±1.5%   ±1.0%   ±0.5%
C         ±2.0%   ±1.5%   ±1.0%

棚卸誤差率=誤差/棚卸高×100%
在庫回転率=期間使用高/棚卸高

Step.4
改善が進んで誤差率が許容範囲内に入るようになってきたら、
BC品目については全品目ではなく、抜き取りでチェックをするなど、
管理レベルを下げて棚卸しにかける時間をドンドン少なくしていきます

というような感じです
改善すればするほど棚卸し時間は削減できます。
面倒臭がり屋さんこそ、
日々の管理体制を強化する必要があるといえます

在庫精度を高めるイチバン簡単な方法は、在庫をもたないことです

というのはなかなか難しいので、
在庫量を少なめにしておく、
「必要な時に、必要な分だけ!」
という管理体制をいかにして作っておくかが重要です
融通のきく仕入先が重宝されますね

そういえば先日、
関与先の社長とお話しさせていただいた際に、
ちょうどそんな話が出てきたことを思い出しました

(社長のお話)
得意先の発注が細かくて、なかなか儲からないんです。
うちも材料は要る分だけ仕入先に発注をかけていくので、産業全体が細かい仕事で埋もれているんですよ。
無駄なものを買わない分だけ粗利は良くなっていくんだけどね~
なんせ売り上げが小さいもんだから…
困ったもんですよ

んん…
もう我々に出来ることは管理する時間を減らして、
売り上げを増やす努力、その戦略を練る時間を増やすことしか残っていないのかもしれませんね

ということでオガゼミ第2回はこれでおしまいです。
棚卸マスターを目指していろいろな会社、業種の棚卸しを調査しに行って参ります
良い情報があれば、またこの場をお借りしてお話しさせていただきますね

税理士 小笠原・河原事務所 の 小笠原 知世 でした

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