オープンブックマネジメント
2014.04.15
税務
御堂筋税理士法人 才木です。
工事業のお客様の幹部メンバーでのキックオフミーティング。
顧問税理士さんはご高齢で決算実態をあらわす決算は年1回のみ。
ここ3ヶ月で月次決算精度アップに取組み幹部メンバーと情報共有
できる状態になったので、共有することからスタートしました。
『オープンブックマネジメント』です。
※“オープンブック”のブックは企業の会計帳簿や財務諸表を指し、
それをオープンにするという意味。
すなわち「オープンブック・マネジメント」
(Open Book Management)とは、自社のあらゆる経営指標を
従業員に開示し、経営の透明性を高めることによって、
従業員の自律性や組織のモラールを最大限に高めようと
する経営手法のことです。
出典:kotobank
いきなり月次試算表を工事部長、工場長に説明しても理解しにくいので
簡易損益計算書、儲けのカーナビで説明することにしました。
みなさんに決算予測数値を提示する前に皆さんにご質問をしました。
4名の幹部社員の方にお聞きしました。
6月決算予測は、
1.かなり儲かっている
2.儲かっている
3.トントン
5.かなり赤字
この5区分で質問しました。
すると、3人の方がトントンで1人の方が儲かっていると回答。
理由をお聞きすると、
・黒字部門と赤字部門があってトントンかな?
・上期は暇だったが、下期は忙しいのでトントン。
・直感でトントン。
・希望的観測を込めて儲かっている!
そこで、現時点での決算予測開示・・・・。
売上7億円で利益が△1,000万円予測。
『1,000万円も赤字!』と皆さんかなり驚いていました。
私『改めて質問します。決算予測は?この予測数値を聞いて何を感じましたか?』
Aさん『5番ですが、予測数値が正しいのか検証したい』
Bさん『5番です。経費削減に取り組みたい』
Cさん『5番です!なぜそうなったのか原因究明をしたい』
Dさん『5番です!!早急な抜本的改革が必要だと思います』
そこで社長が重い口を開きました。
『みんな悪かったな。今期は厳しい厳しいと言っていただけでは、
伝わらないな。このように数字で伝えなければいけないと今初めて知った。
どうか、力を貸してくれ。』
役員と役職者に一体感が生まれた瞬間でした。
そのあと、工事利益改善について具体的議論が
展開され、アクションプランをまとめました。
なぜ、この一体感つまり危機感の共有ができたのか?
それは、オープンブックの効果でしょう。
しかも、納得できる数値開示(過去業績、未来予測含め)が
必須要件となります。
現在の立ち位置がわからなければ、どれだけの力で、どちらに向いて
動いていいのかわからないはずです。
中小企業では、オープンブック出来ていない会社が多いと聞きますが、
弊社のお客様は基本的にオープンブックの会社が多いですね。
その共通点が好業績をもたらせているかも知れません。
チーム経営には、必須項目だと再認識できました。